1984年3月11日 世界的名作アニメ『風の谷のナウシカ』が公開されました。
あらすじ
千年前の「火の七日間」と呼ばれる最終戦争により、巨大産業文明は崩壊し、錆とセラミック片におおわれた荒れた大地に「腐海(ふかい)」と呼ばれる有毒の瘴気を発する菌類の森に世界は覆われていた。人類は生き残るが衰退し、腐海が放つ猛毒と、そこに棲む巨大な虫たちに脅かされていたが、辺境にある「風の谷」は、酸の海から吹く風によって森の毒から守られ、のどかな農耕生活を送っていた。族長の娘であるナウシカは、住民から深く敬愛されており、人々から恐れられている腐海の虫とも心を通わせる
優しい少女である。
ある夜、大国トルメキアの輸送機が風の谷に墜落する。輸送機には、千年前に世界を焼き尽くしたという巨大人型兵器の「巨神兵(きょしんへい)」の胚が積まれていた。トルメキア軍は撃墜されたと案じ、風の谷に向けて侵攻するが、ユパの説得により和解する。しかしその成り行きで、風の谷の長を殺害してしまうのだった。司令官である皇女クシャナは、巨神兵で腐海を焼き払うことを目論んでいた。クシャナは、本国へ運ぶつもりだった巨神兵の輸送を諦め、未完成の巨神兵を風の谷で完成させることにする。
失意から捕虜となったナウシカらはトルメキアに護送される途中、突然現れた戦闘機の攻撃により大きな損害を受ける。護衛機がその戦闘機を撃墜するものの、ナウシカが乗る輸送機も被弾し落下する。ナウシカは、クシャナとともに輸送機から脱出するが、腐海に不時着したナウシカらは、敵の戦闘機に乗っていた少年が虫に襲われていることに気づき、少年を助ける。
少年はトルメキアと敵対するペジテ市のアスベルだった。風の谷にある巨神兵は、このペジテで発掘されたのちにトルメキアが奪ったものだった。ペジテの仲間たちは、風の谷にある巨神兵を奪還するために王蟲の大群を風の谷に誘導し、風の谷のトルメキア軍を全滅させる計画を企てていた。
そのころ風の谷では、住民達がトルメキア軍に反旗を翻し、谷から離れた遺跡の中に立て篭もって膠着状態が続いていた。そこに王蟲の群れが近づいているという知らせが入り、クシャナは巨神兵を未完成のまま目覚めさせ、王蟲を焼き払おうとするが、巨神兵はすぐに体が崩れて死に、王蟲の群れの暴走を止めることができなかった。
暴走する王蟲の群れの前方に、この暴走のきっかけとなった王蟲の幼生とともにナウシカが空から降り立つ。ナウシカと幼生は王蟲に跳ね飛ばされてしまうが、間もなく王蟲の暴走が止まり、王蟲の群れはナウシカを囲むようにして動きを止める。倒れているナウシカは死んでいるかのように見えたが、王蟲の触手がナウシカを包むとナウシカが立ち上がる。その光景は、風の谷に古くから伝わる救世主伝説を具現するかのようであった。
全てが終った後、ナウシカはクシャナに歩み寄る。その後、王蟲の群れとトルメキア軍は風の谷から去り、風の谷には平和な生活が戻る。
一言で言うと、ナウシカが平和をもたらす話である。個人により解釈は違ってくると思うのだが、私は核戦争により滅びゆく人類への警鐘であると感じている。近年は核保有国に関するニュースを目にする機会も増え核戦争突入に戦々恐々としている。その時がきたらナウシカが現れるのか、個々がナウシカになる可能性を秘めているのかはわからないが、そんな時が来ないで欲しいと願う事しかできない。
世界中の人がこの作品を見て何かを感じ取り、平和な世界を願うのみである